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【レオパモルフ図鑑#20】ホワイトアンドイエロー(W&Y)ハイポタンジェリンとはどんな品種?特徴や遺伝を解説!

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「ホワイトアンドイエロー(W&Y)のコンボモルフを知りたい!」

「レオパの品種を知りたい!」

そんな人のために、2015年からヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー、以下レオパ)に囲まれて暮らしている私、のの(X:@leopalife Instagram:@nono_leopalife)がレオパの品種(モルフ)の【ホワイトアンドイエロー(W&Y)ハイポタンジェリン】についてご紹介します。

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ホワイトアンドイエローのコンボモルフはたくさん作り出されています。

コンボモルフとは、1つだけの特徴を持った「単一モルフ」を複数組み合わせて生まれた複合モルフ(品種)のことです。
レオパのモルフの表記や呼び方については「【初心者向けレオパ繁殖ガイド】⑧番外編:モルフの呼び方について」の記事で確認してみてくださいね。

この記事を読むと、W&Yハイポタンジェリンというモルフについて理解でき、W&Yハイポタンジェリンにまつわる遺伝について知ることができます。

W&Yハイポタンジェリンについてのポイントは以下の通りです。

W&Yハイポタンジェリンは、「W&Y」を遺伝子に持ち、体色がオレンジ色に染まっている(タンジェリン)個体のうち、黒色の色素が減少してスポットが減少している(ハイポメラニスティック)個体のことを指します。

W&Yが入っているので、特有の神経症状「ホワイトアンドイエロー・シンドローム」が現れる個体もいます。

それでは、W&Yハイポタンジェリンについて詳しく見ていきましょう!

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目次

「W&Yハイポタンジェリン」について

W&Yハイポタンジェリンは、厳密には「W&Y」「ハイポメラニスティック」「タンジェリン」のコンボモルフというわけではなく、「W&Yの遺伝子を持ち、体色がオレンジで黒点の少ない個体」のことを指します。

また、「タンジェリン」は体色の地色部分が濃いオレンジ色になる個体の総称でもあります。

親も「タンジェリン」である可能性が高いですが、「タンジェリン」はメンデルの法則に従わない「多因子遺伝モルフ」です。

そして、「ハイポメラニスティック」も「黒色色素が減少している」という意味ですが、こちらもメンデルの法則に従わない「多因子遺伝モルフ」です。

「多因子遺伝」という遺伝法則は、同じ血統のものが似た見た目になるのが特徴で、基本的には親の形質が子に現れます。

しかし、「多因子遺伝」は、他の遺伝子と様々な作用をして表現に現れたり現れなかったりします。

つまり、W&Yハイポタンジェリンの親個体が必ずしも「ハイポメラニスティック(黒色色素が減少している個体)」や「タンジェリン(体色のオレンジ色が強い個体)」であるとは限りません。

W&Yとハイポタンジェリンについては、先の記事で紹介済みです。
今回の記事でも解説していきますが、詳しく知りたい方は先の記事もご覧ください。

W&Yについて詳しく知りたい方は▼の記事をご覧ください。

ハイポタンジェリンについて詳しく知りたい方は▼の記事をご覧ください。

ここではまず、「W&Yハイポタンジェリン」を分解して

  • W&Y(ホワイトアンドイエロー)
  • ハイポメラニスティック
  • タンジェリン

について整理していきましょう。

W&Y(ホワイトアンドイエロー)とは

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他の記事を読んでくださっている方には同じ内容なのですが、大切なことなので、同じことを記載しています。
ご了承ください。

まず、ホワイトアンドイエローの記事でもポイントとして記載していることを再掲します。

ホワイトアンドイエローは、不規則に入るスポットや背に白抜けが入ることなどが特徴です。

遺伝は、他の品種との組み合わせで模様がランダムに乱れますが、よくわかっていないことが大半です。

ホワイトアンドイエロー特有の神経症状の特徴は、上に反り返りながらバランスを崩したり、首を上下に振ったりするものが多くあります。

ホワイトアンドイエロー特有の神経症状は、ホワイトアンドイエローの遺伝子と分離することが可能であると研究が進められています。

このポイントの中でも、ホワイトアンドイエローは、他の品種との組み合わせでコンボに変わった模様の乱れが現れることが注目されています。

そのため、ホワイトアンドイエローは、たくさんのコンボモルフが生まれています。

そして、遺伝的な詳しいことはまだはっきりとわかっていないようですが、ホワイトアンドイエローの特徴が強く現れている個体同士の掛け合わせでは、ホワイトアンドイエローの特徴が強く現れている子が生まれます。

また、ポイントとしても記載しましたが、ホワイトアンドイエロー特有の神経症状「ホワイトアンドイエロー・シンドローム」が存在することがわかっています。

症状としては、以下の通りです。

  • 上を向くように反り返りながらバランスを崩します。
  • 首を上下に振る傾向があります。
  • 瞳の焦点が定まっていないことが多いです。
  • 症状を示していない個体が、後天的に発症することはありません。

参考図書の多くに、「ホワイトアンドイエローには神経症状がない」と書かれています。
これは、ホワイトアンドイエローが作り出された当初には神経症状が確認されなかったのにも関わらず、2017年頃から「ホワイトアンドイエロー特有の神経症状」として確認され始めたからです。
無作為な繁殖を行った場合に、ホワイトアンドイエロー・シンドロームが蔓延する恐れがあるということを、繁殖を視野に入れるなら肝に銘じなければなりません。

ハイポメラニスティックとは

ハイポメラニスティックは「黒い色素が減少している」ということを意味しており、レオパにある黒いスポットやそれが集まったようなバンド状の模様が減少して、少量の黒い点だけになる見た目をしています。

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略して「ハイポ」と呼ばれるのが一般的です。

ハイポの条件として、「胴体部分に散るスポットが10個以下」という定義をすることもあります。

ちなみに「スーパーハイポメラニスティック」というモルフもあります。
胴体部分にほぼ黒いスポットがない、あるいは黒いスポットが皆無という意味で「スーパー」と名付けられています。

※「スーパーマックスノー」のように「共優性遺伝をしてスーパー体になっている」という意味ではないので、ご注意ください。

先述した通りですが、「ハイポメラニスティック」はメンデルの法則に従わない「多因子遺伝モルフ」です。

そのため、「何%の確率でハイポメラニスティックの遺伝子を持つ子供が生まれます」とは断言できず、親個体に「ハイポ」がいる場合でも、「ハイポ」が引き継がれるかどうかはわかりません。

ハイポは、見た目に現れていても表記されてないことが多くあります。
例えば…どう見てもハイポタンジェリンなのにタンジェリンとしか書いてなかったり、見た目はハイポタンジェリンですが、ライン名(血統名/ブランド名)を優先して「ブラッド」と表記していたり…。

黒のスポットは、ある程度成長してから見た目として現れてきます。
なので、ベビーの頃から売買されている個体に関しては表記されず、成長後ハイポになったとしても表記されないままの個体が多いのかもしれません。

タンジェリンとは

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W&Yタンジェリンを読んでくださっている方には同じ内容なのですが、記事をたくさん読んでいただくのも大変なので、今回も同じことを記載しています。
ご了承ください。

まず、タンジェリンの記事でもポイントとして記載していることを再掲します。

タンジェリンの名は、柑橘類の鮮やかなオレンジにちなんで名付けられました。

タンジェリンは、徹底的に「」や「オレンジ」を強める事を目的とされて作り出されています。

そのため、オレンジの強い個体や赤の強い個体を選りすぐって交配させる「選別交配」がされます。

「選別交配」とは、タンジェリンの場合、何世代にもわたって、より綺麗な赤やオレンジの個体を作る繁殖技術のことを言います。

同じ血筋によって、次世代の個体をより赤く、よりオレンジにさせることを追求するのがタンジェリンなのです。

先述した通りですが、「タンジェリン」はメンデルの法則に従わない「多因子遺伝モルフ」です。

「多因子遺伝」とは、メンデルの法則に従わない遺伝をするため「何%の確率でタンジェリンの遺伝子を持つ子供が生まれます」とは断言できません。

「多因子遺伝モルフ」は、選別交配と系統繁殖によって維持されています。

そのため、親個体に「タンジェリン」がいる場合でも、「タンジェリン」が引き継がれるかどうかはわかりません。

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W&Yハイポタンジェリンの特徴とは?

ここまでW&Yタンジェリンを「W&Y」「ハイポメラニスティック」「タンジェリン」に分解してご紹介しましたが、モルフ名としてこの3つのモルフが表記されているということは「見た目に特徴として現れている」ということです。

つまり、「W&Y」と「ハイポメラニスティック」と「タンジェリン」の特徴が見た目に現れています。

見た目の特徴だけを整理してみましょう。

まず、ホワイトアンドイエローの特徴です。

ホワイトアンドイエロー(W&Y)の特徴
  • 幼体の時は、黄色みが強い個体と白色が強い個体がいます。
  • 成長するにつれて体にスポットが現れてきます。
  • 目の虹彩が、薄いグレーであることが多いです。
  • スポットが不規則に全身に散りばめられます。
  • 体の側面や手足などが白く色抜けする個体が多いです。
  • 全体的な体色が明るく、白みが強い印象の色合いになります。
  • 背の中心線に沿って色が抜ける傾向もあります。
  • 神経症状が出る場合があります。

そして、ハイポメラニスティックの特徴です。

ハイポメラニスティックの特徴
  • 黒いスポットの数が少なくなります。

最後に、タンジェリンの特徴です。

タンジェリンの特徴
  • 体色の地色部分が濃いオレンジ色になります。

これらの特徴を踏まえて、W&Yハイポタンジェリンの特徴をまとめると以下の通りです。

  • 体色の地色部分はオレンジ色になります。
  • 黒いスポットの数が少なくなります。
  • 現れるスポットは不規則です。
  • 目の虹彩が、薄いグレーであることが多いです。
  • 体の側面や手足などが白く色抜けする個体が多いです。
  • 背の中心線に沿って色が抜ける傾向もあります。
  • 神経症状が出る場合があります。
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W&Yの遺伝子を持っていることで、単一モルフでの「ハイポメラニスティック」や「タンジェリン」には現れない特徴が現れます。

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W&Yハイポタンジェリンの遺伝とは?

遺伝を【初心者向け繁殖ガイド】に基づいて考えていきます。

今回、考えなければならない要素(遺伝子)は「W&Y」と「ハイポメラニスティック」と「タンジェリン」…
なのですが、「ハイポメラニスティック」と「タンジェリン」はメンデルの法則に則ったモルフ計算では「ノーマル扱い」となります。

ちなみに、「W&Y」は本やサイトによって書いていることが異なりますが、通説とされている優性遺伝として考えていきます。

すると…

  • W&Y:優性遺伝モルフ
  • ハイポメラニスティック:多因子遺伝モルフ
  • タンジェリン:多因子遺伝モルフ

というふうに整理できます。

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遺伝について「?」の方には意味不明の内容だと思うので、【繁殖ガイド】第4回目に記載の用語のポイントだけ掲載します。

  • 遺伝子は、親から子へと受け継がれる特徴を伝える役割を持っていて「設計図」に例えられます。

    遺伝子については第1回目に戻ってみてくださいね。

  • オス親とメス親の設計図情報が同じである時(遺伝子座遺伝子型同じ2つの遺伝子で構成されている時)、それを『ホモ接合』と呼びます。
  • オス親とメス親の設計図情報が異なる時(遺伝子座遺伝子型異なる2つの遺伝子で構成されている時)、それを『ヘテロ接合』と呼びます。

    遺伝子座遺伝子型ホモ接合ヘテロ接合については第2回目に戻ってみてくださいね。

  • 遺伝子型がヘテロ接合の場合、見た目に発現した遺伝子は見た目に発現しなかった遺伝子に対して優性遺伝するといいます。
  • 逆に、見た目に発現しなかった遺伝子は見た目に発現した遺伝子に対して劣性遺伝するといいます。
  • 遺伝子型がヘテロ接合の場合、子に異なる2つの遺伝子両方の特徴が発現したときに2つの遺伝子には優劣の関係がなく、その2つの遺伝子は共優性遺伝するといいます。

    優性遺伝劣性遺伝共優性遺伝については第3回目に戻ってみてくださいね。

これに加えて、多因子遺伝モルフは、メンデルの法則に従わず、他の遺伝子と様々な作用をして表現に現れたり現れなかったりします。

つまり、例えば「W&Yハイポタンジェリン」同士の交配で生まれてくるベビーのモルフの確率は、

  • W&Y:75%
  • ノーマル:25%

となるのですが、これに「体色にオレンジ色が濃く出ている」となれば「タンジェリン」という名前を追加することができます。

同じように「黒色の色素が減少していて黒いスポットが少ない」見た目をしていれば「ハイポ」という名前を追加することができます。

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W&Yに「タンジェリン」が現れていれば、その子のモルフは「W&Yタンジェリン」ですし、ノーマルに「タンジェリン」が現れていれば、その子のモルフは「タンジェリン」です。

同じように、W&Yに「ハイポタンジェリン」が現れていれば、その子のモルフは「W&Yハイポタンジェリン」ですし、ノーマルに「ハイポタンジェリン」が現れていれば、その子のモルフは「ハイポタンジェリン」です。

2匹の親個体が持つ「W&Y遺伝子」は「ヘテロ接合」であるとの仮定のもと計算しています。
また、W&Yの「ホモ接合」で致死を考慮しないことを前提としています。

ちなみに計算方法は、W&Yタンジェリンの記事と全く同じですが…掲載します!

遺伝については完全初心者の方向けに【繁殖ガイド】を展開していますので、確認してみてくださいね。

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W&Yハイポタンジェリンをご紹介!

レオパ紹介をさせてください!と SNS でお声かけしたところ…

Iさんが飼育しているレオパちゃんのお写真を貸してくださいました。

のの

Iさん、ありがとうございます!

W&Yハイポタンジェリン

Iさんから「オレンジ発色のタンジェリン、 黒点減少のハイポに加えて、背中中央に一本線の白抜けというW&Yの特徴が現れています」と特徴を詳しく教えていただきました。

特に右側のお写真では、真上から撮影されているので、W&Yハイポタンジェリンの特徴がわかりやすいです。

W&Yの特徴である背中の中央に白抜けがあることや、頭部や尻尾に不規則なスポットが散っている様子などがよくわかります。

白抜けがあるところ以外は、オレンジ色の体色をしていて、かつ、体部分にはほとんど黒色のスポットがありませんね。

これは「ハイポメラニスティック」と「タンジェリン」である特徴です。

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左側のお写真では、パッチリ開いた目が印象的で、とても綺麗な目をしています。

ちなみに、この子の両親は「W&Yタンジェリン」と「 W&Yベルアルビノhetエクリプス(オーロラhetエクリプス)」だそうです。

「オーロラ」は「ホワイトアンドイエロー」と「ベルアルビノ」のコンボモルフです。
全体的に淡く薄い色合いになり、背中にはオレンジ色のぼやけたスポット(斑)が入るのが特徴です。

「het」というのは「ヘテロ接合」の意味で、今回の場合、親個体のどちらかが「エクリプス」の遺伝子を持っていたことを意味しています。
「het」で記載されているモルフ情報は見た目には現れません。
「ヘテロ接合」については【初心者向けレオパ繁殖ガイド】第2回目で詳しく解説しています。

ハイポの要素は親個体には入っていませんが、生まれた子には見た目にハイポが現れたのですね。

のの

多因子遺伝を含む繁殖は、確率では表せませんが、とても興味深い遺伝をします。

Iさん、愛らしいお写真のご提供に加えて、親個体の情報までご教示くださり、ありがとうございました!

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まとめ:W&Yハイポタンジェリン

W&Yハイポタンジェリンをご紹介しましたが、いかがでしたか?

もう一度、まとめておくと…

W&Yハイポタンジェリンは、「W&Y」を遺伝子に持ち、体色がオレンジ色に染まっている(タンジェリン)個体のうち、黒色の色素が減少してスポットが減少している(ハイポメラニスティック)個体のことを指します。

W&Yが入っているので、特有の神経症状「ホワイトアンドイエロー・シンドローム」が現れる個体もいます。

W&Yの特徴である不規則なスポットが、黒色が減少しているW&Yハイポタンジェリンでどのように現れるのか、とても興味深いですね。

また、親個体の「タンジェリン」や「ハイポメラニスティック」が他の遺伝子と作用した時に、子供にどのような見た目が現れるのかも面白いです。

W&Yを使ったモルフでは、特有の神経症状が現れる場合もありますが、とても個性豊かな子が多いので、モルフ図鑑の他のモルフも覗いてみてくださいね。

のの

ぜひ、自分にとっての「1匹」を見つけてくださいね。

参考図書

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みんなのレオパをご紹介させてください!

X(旧Twitter)や Instagram にて、レオパを飼育されてる人にお声かけをさせていただいておりますが、まだまだ品種カテゴリーを充実させていきたいと考えております!

ぜひ、皆さんのレオパちゃんを紹介させてください。
更新がゆっくりなので、かなりお待たせしておりますが、気長にお待ちくださいね。

のの(X:@leopalife Instagram:@nono_leopalife)まで、是非ご連絡をお待ちしております。

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