「ディアブロブランコのコンボモルフに興味がある!」
「スーパースノーディアブロブランコにはどんな特徴があるんだろう?」
「レオパの品種を知りたい!」
そんな人のために、2015年からヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー、以下レオパ)に囲まれて暮らしている私、のの(X:@leopalife Instagram:@nono_leopalife)がレオパの品種(モルフ)の【スーパースノーディアブロブランコ】についてご紹介します。
この記事を読むと、スーパースノーディアブロブランコというモルフについて理解でき、スーパースノーディアブロブランコにまつわる遺伝や繁殖について知ることができます。
スーパースノーディアブロブランコについてのポイントは以下の通りです。
スーパースノーディアブロブランコは、「スーパーマックスノー」と「ディアブロブランコ」とのコンボモルフです。
体色はディアブロブランコより均一に白くなり、目は真っ赤なフルアイになります。
「スーパースノーディアブロブランコ」同士の交配で生まれてくるベビーは、100%「スーパースノーディアブロブランコ」となります。
それでは、スーパースノーディアブロブランコについて詳しく見ていきましょう!
「スーパースノーディアブロブランコ」とは
「スーパースノーディアブロブランコ」は、「スーパーマックスノー」と「ディアブロブランコ」とのコンボモルフです。
ちなみに、「ディアブロブランコ」は「ブリザード」と「ラプター」のコンボモルフであり、さらにこの中の「ラプター」は「エクリプス」と「トレンパーアルビノ」のコンボモルフです。
つまり、「スーパースノーディアブロブランコ」は
- スーパーマックスノー
- ブリザード
- エクリプス
- トレンパーアルビノ
というモルフの組み合わせによって構成されています。
ここでは、「スーパースノーディアブロブランコ」を構成しているモルフについて、
- スーパーマックスノー
- ディアブロブランコ
に分けて整理していきましょう。
スーパーマックスノーとは
「スーパーマックスノー」は、共優性遺伝をする「マックスノー」同士の掛け合わせによって生み出された「スーパー体」です。
ヘテロ接合体でどちらの遺伝子も発現することを共優性という。 ヒトのABO式血液型ではA遺伝子とB遺伝子がどちらもO遺伝子に対して優性であり、A遺伝子とB遺伝子は互いに共優性である。
地方独立行政法人 北海道立総合研究機構
マックスノー同士の交配によって、25%の確率でスーパーマックスノーが生まれます。
そして、スーパーマックスノー同士の交配では、100%の確率でスーパーマックスノーが生まれます。
スーパーマックスノーは、見た目の愛くるしさで人気があります。
スーパーマックスノーの見た目は、マックスノーの見た目からかなり変わり、黄色の色素は完全に消滅します。
模様も変化し、黒いスポットが列状に並びます。
このスポットの大きさには個体差があり、大きなドット状の子もいれば、胡椒を散りばめたような柄になる子もいます。
また、マックスノーには現れない特徴として、スーパーマックスノーは目が真っ黒です。
目が真っ黒になる特徴は、目に特徴が現れる「エクリプス」と同じですが、遺伝子的には全く異なるものなので混乱しないようにしましょうね。
ディアブロブランコとは
ディアブロ(Diablo)とブランコ(Blanco)は、それぞれスペイン語で「悪魔」と「白」という意味で、「この世のものとは思えないほど白い」という意味を持つモルフです。
ベビーではピンクがかった明るい白色の体をしていますが、アダルトに近づくにつれて完全な白に近づきます。
しかし、その白色にはかなりの個体差があり、黄色味がかかったオフホワイトやミルクっぽい色になる個体もいます。
そして、ディアブロブランコの目は、ラプター(エクリプス+トレンパーアルビノ)が入っている影響で、真っ赤なフルアイか前半分が真っ赤なハーフアイです。
ディアブロブランコは「ブリザード」と「ラプター」のコンボモルフで、「ブリザードラプター」とも呼ばれています。
ここで、「ブリザード」と、「ラプター」を構成している「エクリプス」と「トレンパーアルビノ」について、それぞれ確認してみましょう。
ブリザードについて
ブリザードは、ベビーの時からスポットが存在せず、体色は白色なのが特徴です。
アダルトになると、少し黄色味やピンク色を帯びることが多く、個体によってはベージュやグレーっぽくなる子もいます。
ブリザードの目の上の部分は、眼球が透けて青っぽくみえるのも特徴です。
ブリザードには目の虹彩が真っ黒な個体が現れることもありますが、「エクリプス」が組み合わさったものではなく、ブリザードの中にランダムに現れるもので、遺伝はしません。
ちなみに、ブリザードはノーマルに対して劣性遺伝をする「劣性遺伝モルフ」です。
エクリプスについて
先ほどから何度もお話に出てきている「エクリプス」ですが、特に目に特徴のあるモルフです。
エクリプスとは「日食(月食)」という意味です。
特徴の現れ方は、虹彩部分全体が瞳と同じ色に染まるもの(フルアイ/ブラックアイ/ソリッドアイ)と、虹彩の前半分くらいだけが半月型に瞳と同じ色に染まるもの(ハーフアイ/スネークアイ)の2種類があります。
遺伝的にはどちらも同じで、フルアイ同士の交配でもハーフアイのベビーは生まれますし、ハーフアイ同士の交配でもフルアイのベビーは生まれます。
エクリプスは目の特徴の他にも、鼻先や手足などを白っぽく色抜けさせる特徴がありますが、エクリプスが含まれているモルフに必ずこの特徴が現れるわけではありません。
ちなみに、エクリプスもノーマルに対して劣性遺伝をする「劣性遺伝モルフ」です。
トレンパーアルビノについて
レオパには「アルビノ」と呼ばれる種類が3種類存在します。
その3種類に互換性はなく、それぞれが
- ブリーダーRon Tremper氏が繁殖・固定化した「トレンパーアルビノ」
- ブリーダーTim Rainwater氏が繁殖・固定化した「レインウォーターアルビノ」
- ブリーダーMark Bell氏が繁殖・固定化した「ベルアルビノ」
と、繁殖・固定化に成功したブリーダーの名前を頭につけて「〇〇アルビノ」と呼ばれています。
この中でも、トレンパーアルビノは最も早く世に流通し、現在最も多く流通しているアルビノです。
トレンパーアルビノの地色は黄色からオレンジで、バンド部分は白〜ピンク色・ラベンダー色・ココア色まで様々です。
目の色は黒色が抑えられているため、ブドウ色〜ワインレッドに変化します。
ちなみに、トレンパーアルビノもノーマルに対して劣性遺伝をする「劣性遺伝モルフ」です。
スーパースノーディアブロブランコの特徴とは?
ここまでスーパースノーディアブロブランコを構成している「スーパーマックスノー」「ブリザード」「エクリプス」「トレンパーアルビノ」をご紹介してきました。
それぞれの特徴がありましたが、ここでは「ブリザード」「エクリプス」「トレンパーアルビノ」が組み合わされた「ディアブロブランコ」と「スーパーマックスノー」の見た目の特徴のみを整理し、スーパースノーディアブロブランコにはどのような特徴があるのかをご紹介しますね。
まず、「ディアブロブランコ」の特徴です。
- ベビーの時は、ピンクがかった明るい白色の体色をしています。
- 成長するにつれて硬質な白色へと近づいていきます。
- アダルトでは黄色味がかかったオフホワイトやミルクっぽい色になる個体もいます。
- 目の虹彩全体が真っ赤(フルアイ)か、前半分くらいが真っ赤(スネークアイ)か、片目ずつがそのいずれかになっています。
そして、「スーパーマックスノー」の特徴です。
- 白地の体色に黒色のスポットが散った見た目です。
- スポットの大きさには個体差があり、大きなドット状の子もいれば、胡椒を散りばめたような柄になる子もいます。
- 目全体が真っ黒なフルアイになります。
これら2つの特徴を踏まえて、スーパースノーディアブロブランコの特徴をまとめると以下の通りです。
- 目の虹彩全体が真っ赤なフルアイになります。
- 目の色はワインレッドやブドウ色のような赤黒い色です。
- 体色は均一に白色になり、ディアブロブランコよりも個体差が少なくなります。
スーパーマックスノーが組み合わさっていることにより、「エクリプス」で出現するハーフアイ(スネークアイ)はスーパースノーディアブロブランコには存在しません。
コンボになることによって見た目に現れる特徴や強調される特徴もあり、とても興味深いですね!
スーパースノーディアブロブランコの遺伝とは?
遺伝を【初心者向け繁殖ガイド】に基づいて考えていきます。
今回、考えなければならない要素(遺伝子)は「マックスノー」「ブリザード」「エクリプス」「トレンパーアルビノ」です。
これらのモルフはそれぞれ
- マックスノー:共優性遺伝モルフ
- ブリザード:劣性遺伝モルフ
- エクリプス:劣性遺伝モルフ
- トレンパーアルビノ:劣性遺伝モルフ
というふうに整理できます。
遺伝について「?」の方には意味不明の内容だと思うので、【繁殖ガイド】第4回目に記載の用語のポイントだけ掲載します。
- 遺伝子は、親から子へと受け継がれる特徴を伝える役割を持っていて「設計図」に例えられます。
●遺伝子については第1回目に戻ってみてくださいね。 - オス親とメス親の設計図情報が同じである時(遺伝子座の遺伝子型が同じ2つの遺伝子で構成されている時)、それを『ホモ接合』と呼びます。
- オス親とメス親の設計図情報が異なる時(遺伝子座の遺伝子型が異なる2つの遺伝子で構成されている時)、それを『ヘテロ接合』と呼びます。
●遺伝子座・遺伝子型・ホモ接合・ヘテロ接合については第2回目に戻ってみてくださいね。 - 遺伝子型がヘテロ接合の場合、見た目に発現した遺伝子は見た目に発現しなかった遺伝子に対して優性遺伝するといいます。
- 逆に、見た目に発現しなかった遺伝子は見た目に発現した遺伝子に対して劣性遺伝するといいます。
- 遺伝子型がヘテロ接合の場合、子に異なる2つの遺伝子両方の特徴が発現したときに2つの遺伝子には優劣の関係がなく、その2つの遺伝子は共優性遺伝するといいます。
●優性遺伝・劣性遺伝・共優性遺伝については第3回目に戻ってみてくださいね。
遺伝はこのモルフの組み合わせなので、例えば「スーパースノーディアブロブランコ」同士の交配で生まれてくるベビーは、100%「スーパースノーディアブロブランコ」となります。
ちなみに、「スーパースノーディアブロブランコ」と「ハイイエロー(ノーマル)」との交配で生まれてくるベビーのモルフは100%「マックスノーhet.ブリザード,エクリプス,トレンパーアルビノ」となり、見た目は「マックスノー」となります。
遺伝については完全初心者の方向けに【繁殖ガイド】を展開していますので、確認してみてくださいね。
スーパースノーディアブロブランコをご紹介!
レオパ紹介をさせてください!と SNS でお声かけしたところ…
- Aさんが”ましろちゃん”
のお写真を貸してくださいました。
Aさん、ありがとうございます!
スーパースノーディアブロブランコの”ましろちゃん”
あくび姿かなと思うのですが、完全に笑っているように見えて、とても可愛らしいですね。
スーパーマックスノーがディアブロブランコと組み合わさっているというだけあって、真っ白な体色です。
スポットも全くなく、均一な白色をしています。
お名前の通り、真っ白な体がとても美しいですね。
目の雰囲気は少しわかりづらいですが、真っ赤なフルアイをしています。
Aさん、ましろちゃんの愛らしいお写真を、ありがとうございました!
まとめ:スーパースノーディアブロブランコ
スーパースノーディアブロブランコをご紹介しましたが、いかがでしたか?
もう一度、まとめておくと…
スーパースノーディアブロブランコは、「スーパーマックスノー」と「ディアブロブランコ」とのコンボモルフです。
体色はディアブロブランコより均一に白くなり、目は真っ赤なフルアイになります。
「スーパースノーディアブロブランコ」同士の交配で生まれてくるベビーは、100%「スーパースノーディアブロブランコ」となります。
オフホワイト等になる個体も多い「ディアブロブランコ」よりも真っ白な体を持つのが「スーパースノーディアブロブランコ」でしたね。
より硬質な白色の体色がお好きな方にはぴったりのモルフです。
また、真っ白な体に引き立つ赤い目も魅力的なので、店頭などで見つけたら目の雰囲気なども観察してみてください。
ぜひ、自分にとっての「1匹」を見つけてくださいね。
参考図書
みんなのレオパをご紹介させてください!
X(旧Twitter)や Instagram にて、レオパを飼育されてる人にお声かけをさせていただいておりますが、まだまだ品種カテゴリーを充実させていきたいと考えております!
ぜひ、皆さんのレオパちゃんを紹介させてください。
更新がゆっくりなので、かなりお待たせしておりますが、気長にお待ちくださいね。
のの(X:@leopalife Instagram:@nono_leopalife)まで、是非ご連絡をお待ちしております。