「レオパの品種を知りたい!」
「ホワイトアンドイエロー(W&Y)のコンボモルフを知りたい!」
そんな人のために、2015年からヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー、以下レオパ)に囲まれて暮らしている私、のの(X:@leopalife Instagram:@nono_leopalife)がレオパの品種(モルフ)の【オーロラ】についてご紹介します。
この記事を読むと、オーロラというモルフについて理解でき、オーロラにまつわる遺伝について知ることができます。
オーロラについてのポイントは以下の通りです。
オーロラは、「ホワイトアンドイエロー(W&Y)」と「ベルアルビノ」のコンボモルフです。
全体的に淡く薄い色合いになるのが特徴ですが、背にはオレンジ色の少しぼやけたスポットが不規則に入ります。
見た目の幻想的な色合いから名付けられたモルフです。
W&Yが入っているので、特有の神経症状「ホワイトアンドイエロー・シンドローム」が現れる個体もいます。
それでは、オーロラについて詳しく見ていきましょう!
「オーロラ」について
オーロラは、「W&Y」と「ベルアルビノ」のコンボモルフです。
スノー系(マックスノー等のモルフを指します)は組み合わさっていませんが、全体的な色合いが薄く淡くなるのが特徴です。
体の横側を中心とした体色は全体的に白っぽいのですが、背中付近は薄い黄色をしており、手足や尻尾は淡いピンク〜ラベンダー色です。
そして、背中にはオレンジ色の少しぼやけたスポットが不規則に入ります。
とても幻想的な色合いから「オーロラ」というモルフの名前がつけられました。
ここでは、「オーロラ」を構成しているモルフ
- W&Y(ホワイトアンドイエロー)
- ベルアルビノ
について整理していきましょう。
W&Y(ホワイトアンドイエロー)とは
まず、ホワイトアンドイエローの記事でもポイントとして記載していることを再掲します。
ホワイトアンドイエローは、不規則に入るスポットや背に白抜けが入ることなどが特徴です。
遺伝は、他の品種との組み合わせで模様がランダムに乱れますが、よくわかっていないことが大半です。
ホワイトアンドイエロー特有の神経症状の特徴は、上に反り返りながらバランスを崩したり、首を上下に振ったりするものが多くあります。
ホワイトアンドイエロー特有の神経症状は、ホワイトアンドイエローの遺伝子と分離することが可能であると研究が進められています。
このポイントの中でも、ホワイトアンドイエローは、他の品種との組み合わせでコンボに変わった模様の乱れが現れることが注目されています。
ホワイトアンドイエローは、数多くのコンボモルフに用いられていますが、模様の乱れが個性的なので、1匹として全く同じ模様の個体はいません。
また、ポイントとしても記載しましたが、ホワイトアンドイエロー特有の神経症状「ホワイトアンドイエロー・シンドローム」が存在することがわかっています。
症状としては、以下の通りです。
- 上を向くように反り返りながらバランスを崩します。
- 首を上下に振る傾向があります。
- 瞳の焦点が定まっていないことが多いです。
- 症状を示していない個体が、後天的に発症することはありません。
ベルアルビノ
レオパには「アルビノ」と呼ばれる種類が3種類存在します。
その3種類には互換性はなく、それぞれが
- ブリーダーRon Tremper氏が繁殖・固定化した「トレンパーアルビノ」
- ブリーダーTim Rainwater氏が繁殖・固定化した「レインウォーターアルビノ」
- ブリーダーMark Bell氏が繁殖・固定化した「ベルアルビノ」
と、繁殖・固定化に成功したブリーダーの名前を頭につけて「〇〇アルビノ」と呼ばれています。
この中でも、ベルアルビノは最も遅く世に流通しました。
作り出したMark Bell 氏の居住地にちなんで、「フロリダアルビノ」とも呼ばれています。
ベルアルビノは他のアルビノに比べて、目の虹彩部分に走る血管が特徴的にピンク色で瞳は明るい赤色をしています。
また、体の色は濃いクリーム色が目立ち、斑紋部分は褐色が強く目出つ傾向にあります。
斑紋部分の体の地色には、ラベンダー色が濃く出るのも特徴的です。
オーロラの遺伝とは?
遺伝を【初心者向け繁殖ガイド】に基づいて考えていきます。
今回、考えなければならない要素(遺伝子)は「W&Y」「ベルアルビノ」です。
この中で、「W&Y」は本やサイトによって書かれていることが異なるのですが、通説とされている「優性遺伝」として考えていきます。
すると…
- W&Y:優性遺伝モルフ
- ベルアルビノ:劣性遺伝モルフ
というふうに整理できます。
遺伝について「?」の方には意味不明の内容だと思うので、【繁殖ガイド】第4回目に記載の用語のポイントだけ掲載します。
- 遺伝子は、親から子へと受け継がれる特徴を伝える役割を持っていて「設計図」に例えられます。
●遺伝子については第1回目に戻ってみてくださいね。 - オス親とメス親の設計図情報が同じである時(遺伝子座の遺伝子型が同じ2つの遺伝子で構成されている時)、それを『ホモ接合』と呼びます。
- オス親とメス親の設計図情報が異なる時(遺伝子座の遺伝子型が異なる2つの遺伝子で構成されている時)、それを『ヘテロ接合』と呼びます。
●遺伝子座・遺伝子型・ホモ接合・ヘテロ接合については第2回目に戻ってみてくださいね。 - 遺伝子型がヘテロ接合の場合、見た目に発現した遺伝子は見た目に発現しなかった遺伝子に対して優性遺伝するといいます。
- 逆に、見た目に発現しなかった遺伝子は見た目に発現した遺伝子に対して劣性遺伝するといいます。
- 遺伝子型がヘテロ接合の場合、子に異なる2つの遺伝子両方の特徴が発現したときに2つの遺伝子には優劣の関係がなく、その2つの遺伝子は共優性遺伝するといいます。
●優性遺伝・劣性遺伝・共優性遺伝については第3回目に戻ってみてくださいね。
遺伝はこのモルフの組み合わせなので、例えば「オーロラ」同士の交配で生まれてくるベビーのモルフの確率は、
- オーロラ:75%
- ベルアルビノ:25%
となります。
ちなみに計算方法は下の図の通りです。
遺伝については完全初心者の方向けに【繁殖ガイド】を展開していますので、確認してみてくださいね。
オーロラをご紹介!
レオパ紹介をさせてください!と SNS でお声かけしたところ…
- Aさんが”なつめちゃん”
のお写真を貸してくださいました。
Aさん、ありがとうございます!
オーロラの”なつめちゃん”
目の特徴がわかるお写真もいただいたので、2枚掲載しています。
なつめちゃんは薄くて淡い黄色の体色で、オレンジ〜褐色の少しぼやけたスポットが不規則に入っていますね。
尻尾の地色がピンク色でとても可愛らしい印象です。
目はベルアルビノそのものの目をしていますが、目の虹彩部分に走る血管がピンク色で瞳は明るい赤色になるのが特徴的です。
ホワイトアンドイエローの色味を明るくする作用と、ベルアルビノのラベンダー色やオレンジ色が強く出る特性が組み合わさって、名前の通り、とても幻想的な見た目をしています。
ランダムに入るスポットはその子の個性を表すかのようですね。
Aさん、なつめちゃんの愛らしいお写真を、ありがとうございました!
まとめ:オーロラ
オーロラをご紹介しましたが、いかがでしたか?
もう一度、まとめておくと…
オーロラは、「ホワイトアンドイエロー(W&Y)」と「ベルアルビノ」のコンボモルフです。
全体的に淡く薄い色合いになるのが特徴ですが、背にはオレンジ色の少しぼやけたスポットが不規則に入ります。
見た目の幻想的な色合いから名付けられたモルフです。
W&Yが入っているので、特有の神経症状「ホワイトアンドイエロー・シンドローム」が現れる個体もいます。
オーロラはホワイトアンドイエロー(W&Y)のコンボモルフですが、W&Yのコンボモルフの種類は数え切れないくらい作り出されています。
「W&Yのコンボモルフ」でも模様の現れ方や特徴は様々で、個体差も大きくあります。
また、今回のオーロラは「W&Y」と「ベルアルビノ」のコンボモルフでしたが、これに「エクリプス」というモルフを組み合わせると「W&Yレーダー」になります。
そして、「W&Yレーダー」の「ベルアルビノ」を「トレンパーアルビノ」に置き換えると「W&Yラプター」になります。
それぞれ特徴も違いますし、見た目も全く異なります。
是非、W&Yコンボモルフの奥深さを感じてみてください。
そして、自分にとっての「1匹」を見つけてくださいね。
参考図書
みんなのレオパをご紹介させてください!
X(旧Twitter)や Instagram にて、レオパを飼育されてる人にお声かけをさせていただいておりますが、まだまだ品種カテゴリーを充実させていきたいと考えております!
ぜひ、皆さんのレオパちゃんを紹介させてください。
更新がゆっくりなので、かなりお待たせしておりますが、気長にお待ちくださいね。
のの(X:@leopalife Instagram:@nono_leopalife)まで、是非ご連絡をお待ちしております。