「タンジェリン系に興味があるけど、『ライン』がよくわからない!」
「タンジェリンのグループに含まれるものには、どのようなものがあるのだろう?」
そんな人のために、2015年からヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー、以下レオパ)に囲まれて暮らしている私、のの(X:@leopalife Instagram:@nono_leopalife)がレオパの品種(モルフ)の【タンジェリンのグループに含まれるライン】についてご紹介します。
ご紹介するのは、お写真を提供いただいたもののみになりますが、ご了承ください。
「そもそもタンジェリンって何?」
という方は、先に【タンジェリンについての記事】をお読みください。
もちろん、タンジェリンのラインを解説するのに、必要なことはこの記事でもご紹介します!
今回ご紹介するのは、次の6つ(6匹)です。
- アフガンタンジェリン
- インフェルノ
- マンダリン
- JMGブラッド
- スーパーハイポタンジェリン(ブラッド)
- ブラッドハイポ
この中でも「スーパーハイポタンジェリン(ブラッド)」は”スーパーハイポタンジェリン”のところでご紹介するか迷ったのですが、ブラッドということなのでこの記事で紹介させていただくことにしました。
スーパーハイポタンジェリンについては【こちらの記事】で詳しく紹介しているので、参考にしてくださいね。
さて、前書きが長くなってしまいましたが、この記事のポイントは、以下のとおりです。
タンジェリンは次世代の個体をより強いオレンジ色にするため、同じ血筋での「血統管理」がされています。
その「血統」が「ライン」と呼ばれるものです。
それでは、タンジェリンのグループに含まれるラインについて詳しく見ていきましょう!
タンジェリンを簡単におさらい!
タンジェリンは、鮮やかなオレンジ色が特徴で、肌の地色部分が濃いオレンジになるモルフです。
タンジェリンの繁殖では、オレンジの強い個体や赤の強い個体を選りすぐって交配させる「選別交配」がされます。
次世代の個体をより赤く、よりオレンジにさせることを追求されているんです。
これを、有名ブリーダー自身のタンジェリンにブランド名を付けて、血統管理をしています。
その血統のライン毎に、オレンジや赤を特徴的にしている遺伝子は異なる場合が多く、できるだけ同じ血筋同士で交配していかないと、どんどん色が鈍くなってきます。
そのため、別ラインのタンジェリンを掛け合わせて交配させることを嫌うブリーダーが多いのです。
簡単にポイントのみご説明しましたが、タンジェリンについて詳しくは【【レオパモルフ図鑑#11】タンジェリンの品種の特徴は?瞼未成形の個体もご紹介!】をご覧くださいね。
タンジェリンのグループに含まれるライン
「ライン」というのは特定のブリーダーによる特定の血統を示しています。
そのため、見た目の差別化ができていないものも少なくありませんが、ブリーダーそれぞれが追求した「タンジェリンの形」なのです。
ここでは、お写真の提供にご協力いただいた6匹のラインをそれぞれご説明します。
他のタンジェリンの血統についてやブランド名が付いているものに関して興味のある方は、名前だけの紹介ですが、【タンジェリンについての記事】を見てみてくださいね。
アフガンタンジェリン
アフタンと略されることもあるアフガンタンジェリンは、タンジェリン系のライン名(血統名)です。
具体的には、Ultimate Geckos社が管理繁殖していたラインです。
原種のアフガンとタンジェリンの交配からスタートしたとされています。
アフガンのような野生色が出ているようなタンジェリンを作り出したかったのかもしれませんね。
ここで注意しなければならないのは、原種アフガンの血が入っているだけで、原種アフガンではないという事です。
つまり、アフガンタンジェリン同士の子を交配しても、原種アフガンと名乗る事はできません。
原種のアフガンについては、原種アフガン同士でしっかり血統管理されているものをいうので、間違えないようにしましょうね。
アフガンタンジェリンの”かげまる君”
Kさんより、アフガンタンジェリンの”かげまる君”のお写真をお借りしました。
Kさん、ありがとうございます。
Kさんからは、かげまる君について…
かげまるはザ・男の子!と言う感じのとても活発!元気モリモリ!食欲旺盛な性格です。笑
昼夜問わずシェルターの外に出てきて寝顔を見せてくれるので、警戒心はそこまで強くありません。
とコメントをいただいております。
脱皮中の姿を激写されていて、貴重なお写真です!
少し上目遣いのアップのお写真も、何とも可愛いですね。
インフェルノ
インフェルノは、タンジェリンの中でも最も赤いとされるタンジェリン系のライン名(血統名)です。
- HISS社によるタンジェリン
- TUG社によるタンジェリン
- Albey’s “Too Cool” Reptiles社によるタンジェリン
を用いて選別交配が行われて作り出されたラインです。
より強い赤さを求めて各社がタンジェリンを持ち寄ったような形ですね。
ちなみに…
- HISS社による、赤とオレンジの発色が強いスーパーハイポタンジェリンのキャロットテールで、頭部もボールドヘッドになるものは「エレクトリック」と名付けられて血統(ライン)管理されています。
- The Urban Gecko社(通称:TUG社)による、赤やオレンジが非常に強く出ているものを「タンジェリントルネード」と名付け、血統(ライン)管理されています。
- Albey’s “Too Cool” Reptiles社による、Albey氏によって作り出されたタンジェリンのグループの中でも、ベビーから成長しアダルトになってもなお深いオレンジから赤色を維持し、キャロットテールである個体のみを「トリッド」と名付け、血統(ライン)管理されています。
この中で「キャロットテール」「ボールドヘッド」「トリッド」を補足説明しますね。
インフェルノの”チャクラちゃん”
Aさんより、インフェルノの”チャクラちゃん”のお写真をお借りしました。
Aさん、ありがとうございます。
より赤さを求めて作り出された「インフェルノ」なだけあって、チャクラちゃんもかなり濃い色をしています。
お腹の部分はオレンジというより黄味が強いでしょうか…?
目力がしっかりしていて、とても可愛らしいお顔をしていますね。
マンダリン
マンダリンは、正式には「マンダリンタンジェリン」と表記されます。
マンダリンは、レオパ特有の黒点を減らし、オレンジ色強め、かつ、広範囲に表現されるように作り出されたタンジェリン系のライン(血統)です。
お腹の部分にまでオレンジが入る個体が多く、オレンジ色の印象が強いのが特徴です。
見た目は典型的なスーパーハイポタンジェリンのキャロットテールそのものなのですが、「特定のブリーダーが生み出し管理されたライン」として「マンダリンタンジェリン」と呼ばれています。
マンダリンは、
- “Jason”と名付けられたGecko Genetics line Tangerineのタンジェリン
- Designer Geckosによるタンジェリン
を用いて選別交配されたタンジェリンの中で「マンダリン」と名付けられた個体から始まるラインとされています。
しかし、全世界的に流通量の多いラインではありますが、純粋な血統の個体はほとんど流通していません。
すでに本家が廃業していて、本物の入手経路は限定的なようです。
マンダリンの”Rin(リン)ちゃん”
Hさんより、マンダリンの”Rin(リン)ちゃん”のお写真をお借りしました。
Hさん、ありがとうございます。
Rinちゃんは顔が濃い色をしていて、体は明るいオレンジ色をしていますね。
顔を正面から見ると黒いスポットが分かりますが、体にはほとんどスポットはありません。
いろいろな角度からのお写真をお借りできたので、特徴がとても分かりやすいですね。
こちらを見上げるような角度のお写真も、可愛らしいです。
JMGブラッド
タンジェリンの中でも、JMG Reptile社が「ブラッド」というライン名(血統名)で管理し繁殖していたものが「JMGブラッド」と呼ばれます。
ブラッドとは「blood(血液)」のことで、体色の赤味にはドス黒さがあります。
ブラッドは、JMG Reptile社が所有している、体は赤色に近い見た目をし、頭部はオレンジ色になるタンジェリンのグループが始まりであるとされています。
こちらも、全世界的に流通量の多いラインではありますが、純粋な血統の個体はほとんど流通してないようです。
JMGブラッドの”キュー君”
Mさんより、JMGブラッドの”キュー君”のお写真をお借りしました。
Mさん、ありがとうございます。
確かに、頭部より体の方が赤味がかっていますね。
木材を使用したレイアウトをうまく使ってリラックスしているところが、とても可愛いです。
スーパーハイポタンジェリン(ブラッド)
こちらは、スーパーハイポタンジェリンの中でも、JMG Reptile社が「ブラッド」というライン名(血統名)で管理し繁殖していたものです。
ブラッドはJMG Reptile社のライン名ですので、JMGブラッドと同じと考えて差し支えありません。
スーパーハイポタンジェリン(ブラッド)の”ほむらちゃん”
Aさんより、スーパーハイポタンジェリン(ブラッド)の”ほむらちゃん”のお写真をお借りしました。
Aさん、ありがとうございます。
頭部にも体にも黒いスポットがなくて、濃いオレンジ色をしていますね。
尻尾もかなりオレンジ色が乗っていて、キャロットテールなのではないでしょうか…?
飼い主のAさんからは「濃い赤」とコメントいただいているので、お写真で見るよりももっと濃い赤なのかもしれませんね。
こちらを見つめるお顔がとても愛らしいです。
ブラッドハイポ
ブラッドを元に、JMG Reptile社が黒色の色素を取り除いたものを「ブラッドハイポ」と呼ばれています。
しかし、ブラッド自体が「ハイポメラニスティック化がなされ完成した」とされている文献が多いです。
そもそもハイポの効果は、黒の色素を減少させる効果があります。
その効果で黒点を無くしているにも関わらず、体色はドス黒い濃いオレンジや赤色をしているのが特徴です。
ハイポで黒点は減らしつつ、体色の赤味にはドス黒さが残っているという奥深さがあります。
ブラッドハイポの”アム”
Yさんより、ブラッドハイポの”アム”のお写真をお借りしました。
Yさん、ありがとうございます。
頭部と尻尾に黒いスポットが残っていますね。
色味はオレンジ色というより黄色に近いような気がします。
また、全身に少し黒みがかったような渋さが感じられます。
まとめ:タンジェリンのグループに含まれるライン
タンジェリンのグループに含まれるラインをいくつかご紹介しましたが、いかがでしたか?
もう一度、まとめておくと…
タンジェリンは次世代の個体をより強いオレンジ色にするため、同じ血筋での「血統管理」がされています。
その「血統」が「ライン」と呼ばれるものです。
タンジェリンのグループに含まれるラインは、【こちらの記事】でも紹介している通り、たくさんあります。
見た目も少しずつ違うので、是非お気に入りの1匹を見つけてくださいね。
みんなのレオパをご紹介させてください!
X(旧Twitter)や Instagram にて、レオパを飼育されてる人にお声かけをさせていただいておりますが、まだまだ品種カテゴリーを充実させていきたいと考えております!
ぜひ、皆さんのレオパちゃんを紹介させてください。
更新がゆっくりなので、かなりお待たせしておりますが、気長にお待ちくださいね。
のの(X:@leopalife Instagram:@nono_leopalife)まで、是非ご連絡をお待ちしております。