「レオパを飼育されている他の方の飼育方法を知りたい!」
「少しでも長くレオパとの生活を送りたい!」
そんな人のために、2015年からヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー、以下レオパ)に囲まれて暮らしている私、のの(X:@leopalife Instagram:@nono_leopalife)が2年以上レオパを飼育されている方を対象にインタビューを実施しました!
今回、インタビューさせていただいたのは、1匹のレオパをじっくり飼育されている【Mi(X:@rairai_0625)さん】です。
二度目のご縁に感謝感謝です!
このインタビュー企画は「レオパと暮らす」管理人の”のの”が、「他の飼育者さんの飼育環境を見てみたい!詳しいことを知りたい!」と思ったのがきっかけで、SNSでお声がけさせていただいたものです。
レオパの飼育に関して、完全なる「正解」はなく、その個体その個体に合わせて飼育環境も与える餌も調整していく必要があります。
このインタビューも「これを参考にすれば絶対に飼育成功できる!」というものではありませんが、レオパを2年以上飼育されている事例のひとつとして参考にしていただければ幸いです。
愛するレオパに少しでも長生きしてもらうために、レオパに少しでも快適に過ごしてもらうために、飼い主である私たちができることを見つけていきましょう。
それでは、【Mi(X:@rairai_0625)さん】へのインタビューをご覧ください。
飼育されているレオパについて
まずは、飼育されているレオパについて教えていただきました。
教えていただいた内容は以下の通りです。
- 飼い主さんのあだ名、住んでいる地域
- レオパの飼育年数、飼育匹数
- レオパの名前、性別、年齢、モルフ(品種)
- レオパを飼うきっかけ
ーー飼い主さんのあだ名と、温度の参考のために住んでいる地域を教えてください。
Miです。
住まいは東京です。
(前回のインタビュー時は四国にいましたが上京しました)
ーーレオパの飼育年数と飼育匹数を教えてください。
飼育年数は2年半、飼育レオパは1匹です。
ーー飼育されているレオパを紹介していただけますか?
トレンパーサングローというモルフ(品種)の女の子です。
名前は『らいちゅう』、年齢は3歳です。
ーーちなみに、レオパを飼うきっかけは何だったのですか?
少し特殊な経緯ですが、先にレオパを飼育していた友人から誕生日にサプライズプレゼントを貰い、それがらいちゅうでした。
びっくりしましたが、元々爬虫類に興味があったので、とても嬉しかったです!
レオパの飼育環境・餌について
次に、レオパの飼育環境や餌のことについて、詳しく教えていただきました。
教えていただいた内容は以下の通りです。
- 飼育ケージのサイズ、設置場所
- 温度や湿度の管理方法
- ケージ内のレイアウトや装飾
- 主な餌の種類
- 餌やりの頻度やタイミング
- サプリメントの使用方法や種類
ーー飼育ケージのサイズとケージの設置場所を教えてください。
ジオスペース30を使用しており、リビングの壁際に置いてあるメタルラックで飼育しています。
ジオスペース30についてはインタビューもさせていただきましたね。
ジオスペース30に興味がある方はこちらの記事も併せてご覧ください。
ーー温度の管理方法について教えてください。
ヒーティングトップで27~28℃くらいをキープしていますが、冬や夏はエアコンも24時間点けっぱなしにしています。
(冬場は特にヒーティングトップだけだと温度が上がりきらなかったりするので)
ーー湿度に関してはどうしていますか?
湿度はシェルター上部に水を入れたり、小さなタッパーに穴を開け、中に水を含ませたスポンジを入れて保つようにしています。
冬場はそれでも乾燥するので、霧吹きの頻度を朝夜の2回に増やしています。
ーーケージ内のレイアウトや装飾を教えてください。
床材は以前までソイルを使用していたのですが、一度誤食が判明したので、今はペットシーツに交換しています。
コーナー型のシェルターと別に亀の甲羅型シェルターも入れていて、その上にかかるように登り木を置いています。
特に木の上がお気に入りなようで、普段はそこで寛いでいる事が多いです。
ーー次に、主に与えている餌について教えてください。
レオパブレンドフードを使用しています。
他の人工フードをあげてみた事もありますが、それは気に入らなかったのか食べてくれませんでした。
ーー餌やりの頻度やタイミングはどうしていますか?
体重と相談しつつ間隔や量を決めていて、現在は9~10日に1度、3粒あげています。
夜行性なので、なるべく夜にあげるようにしていますが、仕事の都合で難しい時は朝方にあげる事もあります。
ーーサプリメントの使用方法や種類を教えてください。
人工フードで飼育しているので、基本的にサプリメント等は使用していないです。
たまに生き餌をあげる時は、GEXエキゾテラのカルシウム+マルチビタミン剤を使用します。
それとは別に、レプラーゼ(整腸剤)も念の為に常備していて、使用時は飲み水に混ぜています。
健康管理とケアについて
次に、健康管理とケアについて教えていただきました。
教えていただいた内容は以下の通りです。
- 健康チェックの頻度と方法
- 獣医の選び方や通院頻度
ーー健康チェックの頻度と方法を教えてください。
掃除の際に糞の形状をチェックしたり、脱皮後にハンドリングして、脱皮不全を起こしていないかを確認しています。
また、らいちゅうは昨年(2023年)卵巣摘出手術をしているので、ガラス越しに立っている際、お腹に違和感がないかこまめにチェックするようにしています。
体重は毎月始めくらいにスケールで測っていて、大体50~55gあたりをキープするようにしています。
ーー獣医さん選びの方法や通院頻度については、いかがですか?
生体にストレスを掛けたくなかったので”腕が良くて実績のある先生”というのが一番の条件でした。
私の場合、幸いにも上京後に病院へ行く事になったので、上述した条件以外にも、通いやすさや口コミ評価などの選択肢がたくさんあり、環境としては恵まれていたと思います。
昨年は1~2週間の頻度で半年ほど通院していました。
今は年に一度だけ健康診断をして貰っています。
繁殖や卵の管理について
次に、繁殖について教えていただきました。
Miさんの場合、
- 卵巣摘出手術に至った経緯
- 繁殖についてのMiさんの想い
などをお答えいただいています。
ーー繁殖について教えてください。
繁殖については当初から考えていませんでした。
理由は多頭飼育への憧れはありましたが、自分一人で生まれた子たちを生涯飼育出来る自信がなかったからです。
ーーらいちゅうちゃんが卵巣摘出手術に至った経緯や今の状況などを教えていただけますか?
上京してすぐの時期に抱卵が発覚したのですが、卵の1つが内臓に癒着し腹水が溜まっていて、いつ腹膜炎を起こしてもおかしくないというギリギリの状況でした。
そこから約1週間後に卵と卵巣の摘出手術を行って貰い、更に半年ほど通院を続けました。
その間にも水が溜まって腹部が膨れたり、傷が開いて再度縫合してもらったりと色々ありましたが、約1年かけてようやく手術痕も目立たなくなり、無事完治しました。
ーー今のMiさん自身の繁殖への想いをお聞かせください。
種としては子孫を残し、繁栄するのが正しいのだと思います。
しかし、抱卵発覚から手術までの一週間でどんどん元気が無くなって弱々しくなっていく姿があまりにも痛々しくて、なおさら交配・繁殖に手を出す事が憚られるようになってしまいました。
だからこそ、繁殖にチャレンジされている飼育者さんやブリーダーさんの事はとても尊敬しています。
レオパとの生活について
次に、レオパとの生活について教えていただきました。
教えていただいた内容は以下の通りです。
- レオパと過ごす時間の楽しみ方
- レオパの個性的な行動や習性
- 飼育を通して学んだことや気づき
ーーレオパと過ごす時間の楽しみ方を教えてください。
大体はケージ外から遠巻きに行動を観察している程度です。
外に出たい時は温度計付近に立っているので、その時は5~10分ほど部屋んぽさせています。
ーーレオパの個性的な行動や習性について感じることはありますか?
レオパは地上性と言われていますが、うちの子は木の上で過ごす事が多いので「樹上性なのでは…?」とひそかに疑っています(笑)
掃除の際には木ごと移動させられるので、飼い主的にはとても便利です。
他にはトイレを立って行うので、糞がなかなかアクロバットな位置にあったりして「どんな体勢で頑張ったんだろう」と笑ってしまう時があります。
確かに「どんな体勢でトイレを…?」と思うことがありますね!
個体によっても様々ですが、トイレを同じ場所で行う子が多いのもレオパの特徴です。
ーー飼育を通して学んだことや気づきがあれば、教えてください。
一時期、友人宅のレオパを預かっていた時に感じたのですが、個体によって性格の違いがかなりあります。
活発な子、マイペースな子、引き篭もりがちな子など…。
皆かわいくて、見ていて飽きなかったです。
個体によっての性格の違い…「個体差」「個性」は本当に見ていて飽きないですね。
飼育のコツ・アドバイス
次にレオパの飼育のコツとアドバイスを教えていただきました。
教えていただいた内容は以下の通りです。
- 初心者に向けた飼育のポイント
- おすすめの飼育用品やグッズ
ーーレオパ飼育初心者の方に向けた飼育のポイントを教えてください。
レオパはよく「初期費用があまりかからず初心者向け」と言われていますが、私は全く違うと思っています。
はじめてレオパを飼おうとしている方に、詳しく教えていただきたいです。
実際、飼育自体は、犬や猫などの一般的なペットに比べたら毎日給餌しなくてもいいので手は掛からないです。
安く揃えようと思えば100均グッズだけでも飼育出来ますし、個体も特に拘りがないのであれば、数千円程度で手に入れられます。
しかし、レオパの寿命は10~20年もあって、中には30年ほど生きているという例もあります。
病気にならない事が一番ですが、私のように手術が必要な場合もあります。
一度の通院で大体1万円程度、手術は10万円を超えたりもします。
特に爬虫類はしっかりチェックしないと判断が難しいので、元気そうに見えても、とつぜん急変する事案もあります。
お金がかかるポイントは病気の時だけではないですしね。
工夫の仕方にもよりますが、基本的にはエアコンでの温度管理が必須だと思っています。
春と秋が消失しかけている現在、ほぼ通年24時間稼働し続けるので、うちの電気代は独り暮らしでありながら毎月大体万超えです。
初期費用や基本的な手の掛からなさだけで飼育を決めてしまうのは危険ですね。
正直なところ初期費用は抑えられても、結局は犬猫などの飼育時にかかるコストとほぼ同じだと思います。
それらが長ければ30年続きます。
なつく生き物ではないので、個体によっては威嚇されたり、噛まれる事だってあるかもしれません。
だからこそ「安価だから」とか「可愛いから」という理由だけで飼育を始めようとしているなら、少し立ち止まって再度考えてほしいです。
それでも「飼いたい!」と思える方なら、きっと素敵で癒やされる毎日を過ごせると思います。
ーーおすすめの飼育用品やグッズがあれば教えてください。
おすすめというわけでは無いですが、登り木など高低差のあるアイテムを入れてあげると、結構行動パターンが増えて観察するのが楽しくなるかもしれません。
その他のエピソード・レオパとの思い出
次にレオパとのエピソードや思い出を教えていただきました。
教えていただいた内容は以下の通りです。
- レオパとのエピソード
- 面白いハプニングや出来事
- 飼育を通じて得た友人やコミュニティ
ーーレオパとのエピソードを教えてください。
我が家に来て2日目で脱走させてしまった事です。
当時は友人がくれた小さな水槽で飼育していて、上部に100均で購入したグリル用の縦型の網を置いていました。
ガラスに張り付く事が出来ない生き物だし、水槽の高さもあったので安心していたのですが、温度計を足場にして網目からスルリと抜け出したようで…。
立ち上がって爪が引っ掛かったらどこへでも行ってしまいますもんね。
仕事から帰宅すると水槽が空っぽなので、友人に電話で「レオパって地面に潜るんだっけ?」と相談しながらソイルを掘っていたところ「潜らないよ!脱走だよ!!」と言われ、あわてて探したところ、水槽を置いていた棚の後ろから無事発見されました。
その後、出口はしっかり対策して塞ぎましたが、その時の記憶が残っているのか、ケージを変えた現在も温度計の上に立ってソワソワしている事が多いです(笑)
その時の教訓などありますか?
レオパは意外と力があり、多少の重しくらいだと普通に跳ね除けてしまう事もあるみたいなので、皆様も飼育時はお気を付け下さい…。
余談ですが、らいちゅうの雌雄が判明したのも、脱走しようとして失敗し、温度計とガラス面に嵌っていたのがきっかけです。
ーー面白いハプニングや出来事があれば、教えてください。
うちに来て最初の脱皮時、顔に皮が少し残っていました。
当時はまだ人に慣れておらず、よく威嚇されていたのでハンドリングはせず、水槽内に手を入れてピンセットでどうにか剥がしました。
しかし、鼻頭に微妙に残ってしまい、しかもぴったり密着して全然取れませんでした。
幸いにも壊死するような場所でもなかったので、諦めて次回の脱皮時までそのまま過ごして貰いましたが、その期間は夏休みの少年を彷彿とさせる出で立ちでした。
女の子なのに…。
ーー飼育を通じて得た友人やコミュニティがあれば、教えてください。
らいちゅうをくれた友人とは今でも仲が良いです。
また、XでのフォロワーさんとDMでやり取りする事も増え、交友関係に彩りが増えたなぁ、と嬉しく感じています。
まとめ:終生飼育ができるか今一度自分に問いかけて
レオパ飼育の事例として、今回は、1匹のレオパとじっくり向き合ってお世話されているMiさんにお話をお伺いしました。
『「安価だから」とか「可愛いから」という理由だけで飼育を始めようとしているなら、少し立ち止まって再度考えてほしい』というMiさんのお言葉は胸に響くものがあります。
私自身が最初にレオパを飼った時「安価だから」「可愛いから」「飼育しやすいから」という理由で飼育を始めたからです。
私は、「レオパ飼育にお金もかかるし、この子達とは長い付き合いになる(長い付き合いにしたい)」と心を改めて、レオパと日々向き合っていますが、飼育放棄をされる方のお話も聞かないわけではありません。
レオパは「長く生きる生き物である」こと、そして「お金のかかる生き物である」こと、人間に懐くわけではない「爬虫類であること」を忘れずに、「終生飼育ができるか」を今一度自分自身に問いかけてほしいです。
そして、Miさんの仰る通り『それでも「飼いたい!」と思える方なら、きっと素敵で癒やされる毎日を過ごせる』と私も思います。
レオパを飼うことを決めてレオパ飼育を始めたら、レオパが快適に過ごせる環境を作り、静かに見守りながら、飼育を楽しみたいですね。
今回インタビューに応じてくださった方について
- お名前(あだ名):Mi さん
- X(旧Twitter)アカウント:@rairai_0625
- レオパ飼育歴(2024年8月現在):2年半
- 飼育レオパ匹数(2024年8月現在):1匹
インタビューに応じてくださり、ありがとうございました!
それでは、皆さんも良いレオパライフを〜!