「念願のレオパ(ヒョウモントカゲモドキ)のお迎えが決定した!」
そんな喜びも束の間、飼育用品を揃える中で、多くの飼育初心者さんが最初の壁にぶつかります。
それが「カルシウム剤選び」です。
ペットショップに行くと、ずらりと並んだカルシウム剤。
「ビタミンD3入り?なし?」「リンって何?」「どれを選べばうちの子に合っているの?」と、パニックになっていませんか?
ご安心ください。この記事を最後まで読めば、
- レオパにカルシウムがなぜ必要なのか?
- あなたの大切なレオパに合ったカルシウム剤の選び方
- 目的別のおすすめ商品と、話題の商品のリアルなレビュー
- 正しい使い方
がすべて分かり、もうレオパのカルシウム剤選びで迷うことはありません!
結論から言うと、レオパのカルシウム選びで失敗しない一番のコツは、基本として『ビタミンD3なし・リンを含まないカルシウム剤』を常備し、ご自身の飼育環境とレオパの成長段階に合わせて『ビタミンD3入り』を賢く使い分けることです。
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
この記事を書いた人

のの
レオパと暮らす主婦ブロガー
- 2015年よりレオパと暮らす。
- 2019年に自宅にて繁殖に成功。
- レオパ飼育や繁殖に関するあれこれを発信中。
なぜレオパにカルシウムが必要なの?不足すると起こる怖いこと
そもそも、なぜこんなに「カルシウム、カルシウム」と言われるのでしょうか。
それは、カルシウムが不足すると、レオパの命に関わる重大な病気を引き起こす可能性があるからです。
クル病(代謝性骨疾患)の危険性
カルシウム不足で最も恐ろしいのが「クル病(代謝性骨疾患)」です。
これは、骨が正常に形成されず、柔らかく脆くなってしまう病気です。症状が進行すると、
- あごや手足が腫れる、変形する
- 歩き方がおかしくなる
- 歩けなくなる
- エサが食べられなくなる
- 骨折しやすくなる
といった深刻な事態に陥り、最悪の場合は低カルシウム血症を引き起こして死に至ります。
一度変形してしまった骨は元に戻すのが難しく、大切なレオパに辛い思いをさせてしまいます。
また、脊椎の損傷や麻痺、四肢骨の変形などがあった場合には治療が成功したとしても麻痺が残る場合があります。
そうならないために、日々の食事で適切なカルシウムを摂取させることが絶対に不可欠なのです。
カルシウム・ビタミンD3・リンの重要な関係
カルシウム剤選びを複雑にしているのが、「ビタミンD3」と「リン」の存在です。
この3つの関係を簡単に理解しておきましょう。
- カルシウム:
骨を作る主成分。レオパの体の基礎となります。 - ビタミンD3:
カルシウムの吸収を助ける重要な栄養素。
紫外線を浴びることで体内で生成することが可能ですが、紫外線ライトを基本的にケージに設置しないレオパの場合、サプリメントなどで摂取する必要があります。
ただし、過剰摂取は過剰症を引き起こす原因となるので与える頻度や量に注意が必要です。 - リン:
骨を硬くするのに必要な成分。
しかし、摂りすぎると逆にカルシウムの吸収を妨げてしまいます。
レオパのエサとなるコオロギやミルワームにはリンが多く含まれているため、カルシウム剤でさらに追加する必要はありません。
つまり、「リンなし」のカルシウム剤を選び、「ビタミンD3」は成長の度合いや飼育環境に合わせてコントロールしてあげるのがベスト、ということです。
【失敗しない】レオパ用カルシウム剤の選び方”3つのコツ”
関係性がわかったところで、いよいよカルシウム剤を選ぶための具体的な3つのコツをご紹介します。
コツ1:基本は「ビタミンD3なし・リンなし」を選ぶ
まず、メインで毎日使うカルシウム剤として「ビタミンD3なし・リンなし」の製品を一つ用意しましょう。
これが基本となる理由は、ビタミンD3やリンの過剰摂取のリスクが最も低いからです。
ただ、ベビーからサブアダルトまでの成長期では特にビタミンD3が不足すると、カルシウムの吸収が体の成長に追いつかずに「クル病」に陥ってしまう可能性が高いです。
次の”コツ2”でご紹介する「ビタミンD3入り」のカルシウム剤を頻度や量を調整しながら取り入れていきましょう。
コツ2:成長や環境に合わせて「ビタミンD3入り」を取り入れる
特に、ベビーからサブアダルトにあたる成長期には「ビタミンD3」は必須の成分です。
また、アダルトになっても強い骨を維持するために定期的に「ビタミンD3」を取り入れる必要があります。
特に、産卵を繰り返しているメスの場合は、卵を作るために体内のカルシウムを消費して「クル病」を発症することがあるので注意が必要です。
レオパの成長や飼育環境に合わせて「ビタミンD3入り」のカルシウム剤を取り入れていきましょう。
ただし、ビタミンD3は過剰に摂取すると中毒を起こすリスクもあるため、「ビタミンD3入り」のカルシウム剤の使用は週に1〜2回程度(ベビーの場合)に留め、毎日のエサやりでは「ビタミンD3なし」のカルシウム剤を使うのが安全です。
コツ3:成分が信頼できる爬虫類専門メーカーの製品を選ぶ
カルシウム剤は、レオパが直接口にするものです。
自然のものから抽出した成分などを使用している製品は安心して使用することができます。
品質や成分が信頼できる、爬虫類専門メーカーの製品を選びましょう。
また、長年多くのブリーダーや飼育者に愛用されている定番商品なら、まず間違いありません。
口コミや評判なども参考にしながら、安心・安全のカルシウム剤を選びましょう。
【目的別】レオパ飼育におすすめのカルシウム剤
「選び方のコツはわかったけど、具体的にどの商品がいいの?」という方のために、目的別におすすめの商品をご紹介します。
① まずはコレ!常備したい「D3なし」カルシウム剤
「ビタミンD3なし」カルシウム剤のおすすめは、自然工房あまぷれファーム「マルベリーinカルシウム」です。
ビタミンD3を含まない、リンフリーのカルシウム剤なので日常給餌に最適。
高品質で非常に細かいパウダーなので、エサによく絡みます。
桑の葉精製粉が配合されているので、カルシウムの他にもビタミンA ,B ,C,Eやミネラルなども摂取することが可能です。
② 低頻度でもしっかり与えたい「D3入り」カルシウム剤
「ビタミンD3入り」カルシウム剤のおすすめは、こちらも自然工房あまぷれファーム「プレミアムマルベリー」です。
微細な粉末で、吸収性の高い植物性カルシウムを100%使用しています。
水に溶かせる水溶性、さらに、ビタミンD3が配合されているので、カルシウムの吸収性は抜群です。
桑の葉成分は「マルベリーinカルシウム」より20%増量されており、自然由来のポリフェノールや食物繊維も摂取することが可能です。
③ 桑の葉の香りが気になるなら…定番カルシウム剤
①②でご紹介したカルシウム剤はどちらも桑の葉由来の香りがします。
その香りが気になるなら、炭酸カルシウムが主成分でビタミンD3とリンを含まない、GEX「カルシウム 40g」がおすすめです。
多くの飼育者が最初に手にする定番中の定番商品で、安心感があります。
ただ、ビタミンなどの成分がほぼ含まれていないため、成長期や繁殖期には栄養バランスを補う総合ビタミン剤の添加が必要です。
【特別レビュー】自然工房あまぷれファーム「マルベリーinカルシウム」実際どう?
おすすめカルシウムとしてもご紹介した、自然工房あまぷれファームの「マルベリーinカルシウム」ですが、自然派思考の飼育者さんの間で今、話題になっています。
ここでは、夜行性爬虫類であるレオパに最適な「マルベリーinカルシウム」と新製品の「プレミアムマルベリー」を徹底的にレビューしていきます。
自然工房あまぷれファームからカルシウム剤が届いた!内容物は?

1つの商品の中には、
- カルシウム剤
- スプーン
- ステッカー
の3点が入っています。
スプーンはカルシウム剤をすくうのにちょうど良い0.1gを計測できるサイズで、給餌の際に大活躍です。
ステッカーはどの絵柄がもらえるか届いてみないとわかりませんが、3種類ともめちゃくちゃ可愛い…!
Amazonの口コミでも、このスッテカーは人気です。
「マルベリーinカルシウム」徹底レビュー

まずは、2025年6月にパッケージリニューアルをした「マルベリーinカルシウム」のご紹介とレビューをしていきます。
「マルベリーinカルシウム」の特徴は?
最大の特徴は、国産の「桑の葉(マルベリー)」が配合されている点です。
桑の葉は天然のカルシウムやビタミン、ミネラルが豊富で、レオパの主食である昆虫だけでは不足しがちな栄養素を補ってくれます。
また、他商品では炭酸カルシウムのみが使用されているものが多いですが、「マルベリーinカルシウム」は植物性カルシウムを45%も配合されています。
植物性カルシウムは炭酸カルシウムに比べて、吸収率が高いのが特徴です。
「マルベリーinカルシウム」の原料は
- 炭酸カルシウム
- 乳酸カルシウム(植物性カルシウム)
- 桑の葉粉
となっており、とってもシンプル。
もちろん、カルシウムの吸収を阻害してしまう「リン」は含まれていません。
「マルベリーinカルシウム」はビタミンD3無添加のため、毎日の給餌で与えることができます。
実際に使ってみたリアルな感想
商品の袋を開けてみて感じたのが「ふんわり香る桑の葉の甘い香り」と「超微細の粉の柔らかさ」です。
今まで使用していた炭酸カルシウムも細かい粉なのですが、マルベリーinカルシウムの細かさとそれに伴う柔らかさには驚きました。
また、桑の葉成分によって緑色に色付いているので、今までの真っ白なカルシウムとは完全に別物である印象を受けました。

今回はハニーワームに使用して与えてみましたが、我が家で飼育しているレオパ5匹全てが問題なく食いつきました。

桑の葉の香りがあるので食いつきが落ちるかな?という心配もあったのですが、杞憂だったようです。
カルシウム剤が付着しづらいコオロギにも使用しましたが、しっかりと付着させることができたので、デュビアやミルワームなど他の昆虫やカルシウム剤無添加の人工フードにも問題なく使用できますね。
Amazonでの評価も4.5と非常に高く(2025年6月11日現在)、たくさんのレビューが寄せられていましたので抜粋してご紹介します。
- 桑の葉が入っているので他のカルシウム剤より栄養価も少しはいいかと思いずっと使用しています。レオパは問題なく食べてくれるのでこれからも使用していきたいと思います。
- 粉がサラサラでかけやすい。フトアゴヒゲトカゲもレオパとニシアフ達にあげてますが普通に食べてくれます。
- 調度良いサイズのスプーンが入っており、凄くありがたい。
- 自然派なのが良いです。桑の葉も配合で、安心して使用しています。
- カルシウムだけではなく、ビタミン・ミネラル・鉄分も含まれてるのでこれひとつでOKなのが助かります。
- 可愛いステッカーもおまけでついてました。
- 食いつきに個体差があります。
食いつきが悪かった…というレビューもありましたが、個体の好みの問題が大きいと考えられます。
食べてくれるカルシウム剤を探す必要はありますが、我が家のレオパには好評で購入者の評価も高いので、「マルベリーinカルシウム」を試してみる価値はありますね!
新製品「プレミアムマルベリー」徹底レビュー


次に、2025年6月に新発売された「プレミアムマルベリー」のご紹介とレビューをしていきます。
「プレミアムマルベリー」の特徴は?気になる「マルベリーinカルシウム」との違い
「プレミアムマルベリー」は「マルベリーinカルシウム」をパワーアップさせた新商品です。
どのようにパワーアップしたかというと…
- 配合カルシウムが植物性カルシウム45%→100%に
- ビタミンD3入りで定期的な骨の成長・維持をサポート
- 桑の葉成分20%増量
- 水に溶かせる水溶性
と、とても強力にレオパ飼育をサポートしてくれる製品となっています。
ビタミンD3入りなので、毎日の給餌ではなく週1回〜月1回などの低頻度で与えるのに適しています。
配合カルシウムが植物性カルシウム100%になったということは、「マルベリーinカルシウム」よりもカルシウムの吸収率が良いことを示しています。
また、桑の葉成分が20%増量されたので、自然由来のミネラルなどがより濃く配合されています。
そして、水溶性になったことによって練り餌などの水に溶かしてそのままレオパに与えることもできますし、拒食気味のレオパに対して水に溶かしてカルシウムを摂取させることもできます。



個人的に、「水溶性」というところにとても魅力を感じています!
粉がまぶされている人工フードを嫌がるレオパが多いので、人工フード(カルシウム無添加)を用意する時点で水にカルシウムを溶かしてしまえるというのは有り難いですね。
実際に使ってみたリアルな感想
パッケージにも「濃いめ」と書かれていたので、より強い桑の葉の香りや色を予想していたのですが、予想に反して「ふんわり香る桑の葉の甘い香り」も「ほんのり緑色の超微細な粉」も「マルベリーinカルシウム」と同様でした。



香りの強さを数値化したわけではないので、感じ方に個人差はあります。
ご了承くださいませ。
パッと見た目では違いを感じなかったのですが、レオパに与えて拒否されたらどうしよう…と不安はありました。
しかし、「プレミアムマルベリー」も食いつきよく、飼育中のレオパ5匹ともが問題なく口にしてくれました。
食いつきの良さは「マルベリーinカルシウム」の良いところを引き継いでいるようです。
自然工房あまぷれファームのカルシウム剤はこんな人におすすめ!
自然工房あまぷれファームのカルシウム剤は次のような方におすすめです。
- 自然派思考の方
- 他にビタミン剤などを使用したくない方
- ビタミンなどの過剰摂取が気になる方
- ビタミンD3なしとD3入りのカルシウム剤を同じ信頼できる製造元で揃えたい方
自然工房あまぷれファームのカルシウム剤は、どれも自然由来の成分で安心して使用することができます。
ビタミンが既に配合されているカルシウム剤なので、他の総合ビタミン剤などを用意する必要がありません。
また、複数のカルシウム剤やビタミン剤を併用することによって引き起こされる、ビタミンなどの過剰摂取を防ぐことが可能です。
「ビタミンD3なし」と「ビタミンD3入り」のラインナップがあるため、「自然工房あまぷれファーム」で必要なサプリメントを全て揃えることができます。



必要なビタミンやミネラルなどを他のサプリメントで用意しなくても良いのが個人的には推しポイントです。
自然工房あまぷれファームのカルシウム剤ラインナップ
自然工房あまぷれファームでは、3種類のカルシウム剤が販売されています。
- マルベリーinカルシウム
- プレミアムマルベリー
- D3 inカルシウム
「D3 inカルシウム」は、昼行性のフトアゴヒゲトカゲなどに最適です。
紫外線ライトと併用することで、昼行性爬虫類の健康をサポートします。
「D3 inカルシウム」は、レオパのような夜行性爬虫類向きではありませんので、ご注意ください。
今回ご紹介した「マルベリーinカルシウム」と「プレミアムマルベリー」はどちらも夜行性のレオパに適しています。
改めて、比較表を掲載するので確認してみてくださいね。
マルベリーinカルシウム | プレミアムマルベリー | |
---|---|---|
カルシウム | 植物性カルシウム | 炭酸カルシウム植物性カルシウム100% |
ビタミンD3 | なし | 入り |
桑の葉成分 | 配合 | 20%増量 |
水溶性 | なし | あり |
価格 (2025年6月11日時点) | 750円 | 980円 |
購入する | 購入する |
意外と知らない?カルシウム剤の正しい使い方
最適なカルシウム剤を選べたら、次は正しい使い方をマスターしましょう。
基本の使い方「ダスティング」
カルシウム剤の最も一般的な与え方が「ダスティング」です。
これは、エサとなるコオロギやデュビアに、カルシウム剤の粉末を直接まぶす方法です。
- 深めの容器やビニール袋に、その日に与える分のコオロギなどを入れる。
- カルシウム剤をひとつまみ(ごく少量でOK)振り入れる。
- 容器や袋を優しく振って、コオロギなどの全体に粉末が薄く付着したら完了!
コオロギなどがうっすらお化粧したような状態になればOKです。
つけすぎはレオパが嫌がる原因にもなるので注意しましょう。
与える頻度の目安は?(成長段階別)


必要なカルシウム量は、レオパの成長段階によって変わります。
「ビタミンD3なし」のカルシウムは、給餌のたびに毎回与えてください。
骨の成長が重要なベビー〜サブアダルトには「ビタミンD3入り」を週に1回〜2週間に1回程度、定期的に与えるようにしましょう。
アダルトになっても、強い骨の維持のためにカルシウムは必要な栄養素です。
アダルトの個体にも、「ビタミンD3入り」のカルシウムを最低月に1回程度は与えるようにしたいですね。
上記はあくまで目安です。個体の状態を見ながら調整してください。
まとめ:愛するレオパのために最適なカルシウムを選ぼう
今回は、初心者の方が迷いがちなレオパのカルシウム剤選びについて、徹底的に解説しました。
最後に、重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- カルシウム不足は「クル病」を引き起こすため、予防が何より重要。
- 基本は「D3なし・リンなし」を毎回の給餌で使用し、「D3入り」を補助的に使う。
- 話題の「マルベリーinカルシウム」は、プラスアルファの栄養が期待できる良品。
- 新製品「プレミアムマルベリー」は、カルシウム吸収率・プラスアルファの栄養素がパワーアップ。
- 与え方は「ダスティング」が基本。
- 成長段階に合わせた頻度と用法・用量を守り、ビタミンD3の過剰摂取に注意する。
たくさんの種類があって難しく感じるかもしれませんが、基本のルールさえ押さえれば、カルシウム剤選びはもう怖くありません。
この記事が、あなたの可愛いレオパにぴったりのカルシウム剤を見つけ、健康で長生きできるようサポートする一助となれば幸いです。